こんにちは、なおじです。
お茶を一杯、いかがですか?
滋賀県高島市の藤樹書院を訪れた時、地元のおじさんが声をかけてくれました。
そして隣の良知館で、女将さんが淹れてくれたお茶の温かさ――これが400年前から続く「良知(善の心)」の実践なんだと、その瞬間に理解したんです。
2025年11月5日、キャンピングカーで中江藤樹の足跡を辿る旅に出ました。
教科書で何度も目にした「近江聖人」の故郷は、驚くほど静かで、人々の優しさに満ちていました。
今回は、中江藤樹ゆかりの地・滋賀県高島市を実際に訪問した体験を、アクセス情報や見どころとともにお届けします。

中江藤樹ゆかりの地・滋賀県高島市へのアクセス
車でのアクセス(キャンピングカーもOK)
私はキャンピングカーで訪れました。
名神高速道路「京都東IC」から国道161号を北上し、約1時間で高島市に到着します。
藤樹神社の駐車場に、キャンピングカーを停めていただきました。
アクセス情報:
- 京都方面から:国道161号経由、約1時間
- 名古屋方面から:名神高速「京都東IC」経由、約2時間
- 駐車場:藤樹神社境内(無料、キャンピングカー可)

公共交通機関でのアクセス
JR湖西線「安曇川駅」下車、徒歩約15分です。
駅からタクシーも利用できます(約5分)。
電車の本数は1時間に2~3本程度なので、事前に時刻表を確認しておくと安心です。
藤樹神社で静寂に包まれる|駐車とお参り

最初に訪れたのが藤樹神社です。
中江藤樹を祀るこの神社は、境内が驚くほど静かで、穏やかな雰囲気に包まれています。
ただ、観光地化されていないんですね。
むしろそれが良いんです。
石碑に刻まれた藤樹先生の功績を読みながら、400年前にこの地で多くの弟子を育てた姿を想像しました。
学問の神様として信仰を集めているため、受験生や学生の参拝も多いそうです。
キャンピングカーを駐車させてもらい、ここを拠点に町を散策することにしました。
中江藤樹記念館で継体天皇との意外な接点を知る

藤樹神社に隣接する**「中江藤樹記念館・たかしまミュージアム」**で、約30分過ごしました。入館料300円。
展示されているのは、藤樹先生の生涯や思想、直筆の書など。
しかし驚いたのは、高島市が継体天皇ともゆかりの深い場所だということでした。
継体天皇は507年に即位した第26代天皇で、この地で青年期を過ごしたとされています。
古代からの歴史が息づく町――藤樹先生だけでなく、高島という土地そのものに興味が湧いてきました。
基本情報:
- 所在地:滋賀県高島市安曇川町上小川
- 開館時間:9:00~16:30(月曜休館、年末年始休館)
- 入館料:300円
- 駐車場:あり(藤樹神社と共用・なおじはここに止めさせていただきました)
- ※訪問前に公式サイトで開館状況をご確認ください

藤樹書院で奇跡の出会い|地元の方が案内してくれた
記念館を出て、徒歩数分の藤樹書院へ向かいました。
藤樹が晩年に開いた私塾の跡地で、現在の建物は復元されたものです。
外から眺めていると――。
「中を見学しますか?」
地元のおじさんが声をかけてくれました。
実はこのおじさん、隣の**良知館(無料案内休憩所)**の関係者だったんです。
藤樹書院の中に招き入れてくれ、15分ほど藤樹先生の生涯や思想について丁寧に解説してくれました。
さらに良知館に戻ると、女将さんがお茶を出してくれて世間話。

水戸から来たというと、
「遠くから来てくれてありがとうね」という温かい言葉に、胸が熱くなりました。
これが本当の旅の醍醐味ですよね。
藤樹書院は通常、外観のみの見学です。
ただ、運が良ければ地元の方が案内してくれる可能性があります。
ぜひ良知館に立ち寄って、声をかけてみてください。
藤樹墓所で手を合わせる|静かに眠る近江聖人

藤樹書院の近くには、藤樹墓所があります。
静かな場所に佇む墓所で、藤樹先生に手を合わせました。
41歳という若さでこの世を去った藤樹先生。
しかし、その教えは弟子たちに受け継がれ、今も町民の心に生きています。
墓所に立つと、そのことを肌で感じました。
道の駅「藤樹の里 あどがわ」で昼食と休憩

散策の後は、藤樹書院から徒歩圏内の**「道の駅 藤樹の里 あどがわ」**へ移動し、昼食をとりました。
地元の新鮮な野菜や特産品が並び、食堂では近江牛を使った定食や地元の郷土料理を楽しめます。
私は近江牛のコロッケと、地元産の野菜たっぷりつけそば定食を注文しました。
キャンピングカー旅の醍醐味は、こうした道の駅での食事と休憩です。
トイレも清潔で、休憩スペースも広々としています。
基本情報:
- 所在地:滋賀県高島市安曇川町青柳1162-1
- 営業時間:9:00~18:00(施設により異なる)
- 特産品:近江牛、鮒寿司、地元野菜
- 駐車場:あり(キャンピングカー可)
高島市で感じた「良知」の実践|藤樹先生の教えが生きる町

高島市を歩いていて感じたのは、町全体が穏やかで優しさに満ちているということです。
良知館のおじさんや女将さんの親切さ、静かで清潔な街並み、すれ違う人々の柔らかな笑顔――藤樹先生が説いた「良知(人間が生まれながらに持つ善の心)」が、今も町民の心に生きているように感じました。
藤樹先生の思想については、詳しくは別の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

旅の前に読んでおくと、訪問の意味がより深まりますよ。
‐関連記事:【中江藤樹とはどんな人か|近江聖人と呼ばれた日本陽明学の祖の生涯と思想】
まとめ|中江藤樹を訪ねる旅は心を洗う時間

2025年11月5日の滋賀県高島市訪問は、私にとって心洗われる旅となりました。
藤樹神社、中江藤樹記念館、藤樹書院、良知館、そして道の駅――すべてが穏やかで、優しい時間でした。
観光地化されていない、素朴で温かい町。
そこで出会った人々との触れ合いが、この旅をかけがえのないものにしてくれました。
もしあなたが歴史や思想に興味があるなら、ぜひ高島市を訪れてみてください。
きっと、人間の善の心を信じたくなる旅になるはずです。
Q&A:よくある質問

Q1. 中江藤樹記念館の入館料は?
A. 300円です。開館時間は9:00~16:30、月曜休館です。訪問前に公式サイトで開館状況を確認することをおすすめします。
Q2. 藤樹書院の中は見学できる?
A. 通常は外観のみです。ただ、私のように運が良ければ、良知館の方が案内してくれる可能性があります。ぜひ声をかけてみてください。
Q3. キャンピングカーで訪問できる?
A. はい。藤樹神社に駐車スペースがあり、キャンピングカーでも停められます。ただし、 中江藤樹記念館と共有です。道の駅「藤樹の里あどがわ」も利用できます。
Q4. 所要時間はどれくらい?
A. 藤樹神社、記念館、藤樹書院、道の駅を回って、約1~2時間です。ただし、ゆっくり散策するなら半日は欲しいですね。
Q5. 近くに宿泊施設はある?
A. 高島市内に温泉旅館やビジネスホテルがあります。また、琵琶湖沿いにキャンプ場もあり、キャンピングカー旅にも最適です。
なおじ
