みなさん、こんにちは!
大河ドラマ「青天を衝け」でも注目された「水戸学」について、面白い話があるんです。
実は約90年前に、この水戸学について素晴らしい講演をした、深作安文先生がいらっしゃるんです。
深作安文先生ってどんな人?
項目 | 内容 |
---|---|
生年 | 1874年(明治7年) |
出身 | 茨城県 |
学歴 | 東京帝国大学卒業 |
職歴 | 東京帝大教授→東京商大講師 |
専門 | 水戸学研究、国民道徳論 |
代表作 | 『国民道徳要義』 |
没年 | 1962年(昭和37年)88歳 |
深作先生は茨城県出身で、まさに水戸学のお膝元で生まれ育った方なんです。
地元愛と学問への情熱が合わさって、素晴らしい研究をされました。
1934年の日本人に足りなかったもの
深作先生が1934年に講演したとき、こんなことを指摘されました:
「当時の日本人は、日本について十分な認識を有していない」
「祖国の観念が徹底していない」
えっ、1934年といえば国体論が盛んな時代なのに?と思いますよね。
でも先生から見ると、日本人は自分の国がどんな国なのか、実はよく分かっていなかい…。
これって、現代の私たちにも当てはまりませんか?
SNSで色んな情報が飛び交う中、「日本らしさ」って何なのか、改めて考えてみる価値がありそうです。
水戸学は「科学」じゃない?
深作先生はハッキリ言います:
「水戸学は科学という意味ではない」
これは歴史学や社会科学じゃないという意味ではありません。
単純な学問の枠に収まりきらない、もっと深いものだということなんです。
水戸学の核心:「皇室中心の国民道徳論」
会沢正志斎の革命的アイデア
水戸学を語る上で欠かせないのが、会沢正志斎という人物です。
彼が1825年に書いた『新論』で、こう唱えました:
「国家の中心は皇室である」
この考えが尊王攘夷論を生み出し、やがて明治維新につながっていきます。
まさに日本を変えた思想だったんですね!
栗田寛先生の「天朝正学」
また、栗田寛先生は水戸学を「天朝正学」と呼びました。
つまり、天皇中心の正しい学問ということです。
これらを踏まえて、深作先生は水戸学を:
『皇室中心の国民道徳論』
と定義されました。
深作先生独自の「三期分類」が面白い!
一般的な水戸学の分類:
- 前期水戸学:徳川光圀の時代
- 後期水戸学:徳川斉昭の時代
でも深作先生は、違います!
水戸学を三つの時代区分に分けました。
深作先生の三期分類
時期 | 中心人物 | 特徴 |
---|---|---|
前期 | 徳川光圀 | 『大日本史』編纂開始 |
中期 | 治保公(第6代藩主) | 内部対立の芽が育つ重要な時代 |
後期 | 徳川斉昭 | 尊王攘夷思想の完成 |
中期水戸学の熱いドラマ
この中期って、実はめちゃくちゃ重要なんです!
治保公の熱すぎる想い
水戸藩の第6代藩主・治保公は、本当に学問が大好きな人でした。「自分が生きているうちに『大日本史』を絶対に完成させる!」って、毎日燃えるような気持ちで頑張っていたんです🔥
でも、ここで大問題が起きちゃいます
水戸藩の中で、すごく大きな意見の対立が生まれたんです:
立原翠軒(現実を見る人)
「うーん…でも正直、お金がもうないよね。編纂作業、一旦やめた方がいいんじゃない?」
本当に現実的で、常識的な考えでした。
VS
藤田幽谷(夢を追う人)
「何言ってるの!今やめたら意味ないでしょ。『志』も『表』も全部作って、完璧な史書にしようよ!」
理想への情熱がすごかったんです。
一番切ないのは…
この二人、実は師匠と弟子の関係だったんですよ。お互いを大切に思っていたのに、水戸学への想いが強すぎて、真っ向から対立することになっちゃった。
本当にドラマみたいな話ですよね。どっちも間違ってないし、どっちも水戸学を愛していたからこそ起きた悲しい対立でした。
水戸学の「三大特筆」って何?
深作先生が挙げる水戸学の重要ポイント:
- 神功皇后を天皇として扱うか?
- 大友皇子を天皇として扱うか?
- 南朝と北朝、どちらが正統か?
南北朝問題:光圀公の信念
特に3番目の南北朝問題が興味深いんです。
南北朝時代は超危険な時代でした:
- 天皇が二人
- 年号が二つ
- 都が二つ
- 日本分裂の危機!
実力的には北朝が優勢でした。でも光圀公は断言します:
「三種の神器を持っているのが正統!」
家臣が「今の朝廷は北朝の血筋だから、北朝を否定するのは危険では…」と心配しても、光圀公は譲りません。
「これだけは自分に任せてくれ。自分は大義名分のため、筆を枉げることはとても出来ない」
かっこいいですよね!
信念を貫く姿勢に胸が熱くなります。
でも、ちょっと気になることが…
ここで筆者(元教師)の鋭い指摘が:
- 「草薙剣は安徳天皇と一緒に海に沈んだのでは?」
- 「後醍醐天皇が持ってたのはレプリカかも?」
これって現代のネット民も気になるポイントですよね!
Twitterでも時々話題になります。
水戸学の心臓部:「大義名分」
深作先生の説明がとても分かりやすいんです:
「義」とは「宜」
- 父子の間、夫婦の間、兄弟の間…
- 人が二人以上いるところには必ず存在
- 特に君臣の間の「義」が「大義」
「名分」とは
- 物の名義、分際のこと
- 教師には教師の名分
- 主人には主人の名分
つまり**「その名にふさわしい在り方」**が義なんです。
現代版「らしくあれ」論争
深作先生の結論:
水戸学は『皇室中心の国民道徳論』
これを現代風に言い換えると:
「らしくあれ」という道徳観
でも現代では「男らしく」「女らしく」って言うと、人権団体からクレームが来そうですよね😅
令和時代の「らしさ」議論
最近のSNSでは:
- 「自分らしさ」重視派
- 「役割に応じた責任」重視派
- 「多様性」重視派
など、様々な意見が飛び交っています。
コロナ禍で「医療従事者らしく」「教師らしく」「政治家らしく」といった議論も活発になりました。
現代の水戸学ブーム
実は今、水戸学が密かにブームなんです!
2021年の盛り上がり
- 大河ドラマ「青天を衝け」:水戸学の思想が描かれて話題
- グロービス経営大学院:「水戸学の思想とリーダーシップ」セミナー開催
- 片山杜秀『尊皇攘夷―水戸学の四百年―』:新潮社から出版されベストセラー
ビジネス界での注目
現代のリーダーシップ論でも水戸学が注目されています:
- 信念を貫く経営者の姿勢
- 組織の「大義名分」の重要性
- 危機における判断力
最後に:あなたはどう思う?
元ブログの筆者は最後に、教師らしい問いを投げかけます:
「『らしくあれ』という道徳観に、あなたは賛成しますか?」
現代的に考えてみると…
賛成派の意見:
- 責任感が生まれる
- 社会の秩序が保たれる
- 専門性が向上する
反対派の意見:
- 個性が押し殺される
- 多様性が失われる
- ステレオタイプを助長する
中間派の意見:
- 状況に応じて使い分け
- 核となる部分は残しつつ柔軟性も
皆さんはどう思いますか?
コメント欄やSNSで、ぜひ意見を聞かせてください!
水戸学から学ぶ現代への教訓
深作先生の水戸学講義から学べることは:
- 信念を持つことの大切さ(光圀公の姿勢)
- 現実と理想のバランス(翠軒vs幽谷の対立)
- 時代を超えた普遍的価値(大義名分の概念)
- 自分なりの答えを見つける重要性
約90年前の講演が、令和の時代にも新鮮に響くのは、水戸学が扱っているテーマが普遍的だからかもしれませんね。
コメント